Q:硬膜外麻酔ってどうするんですか?
腰椎麻酔の一種で、腰から針を刺して麻酔します。
腰の部分の背骨の(斜め)後ろから針を刺します。
そして脊髄神経の通っている部分を包む二重の膜の2mmの隙間に麻酔薬を注入します。
この隙間の手前に入れたのでは全く効きませんし、
突き抜いてしまって注入すると麻酔が首まで効いてしまい、
2時間ほど呼吸がしにくくなります。(かなり恐いです)
ちゃんと効けば(普通はちゃんと効くのですが)、
丁度腹巻きの当たるような部分の知覚神経が麻痺しますから、痛みは感じません。
それなのに、陣痛は弱くなりませんし、
運動神経には何の影響もないので、歩くことも可能です。
筋肉の余計な緊張が無くなりますので、
痛くないだけでなく分娩の進行も早まります。
麻酔が効くのは腹部だけですから、
ニコニコと話しながらお産が出来ますし、
産声(うぶごえ)も聴くことができます。
1回の注入で約2時間の効果があります。
子宮口が6cmくらい開いていれば、
この2時間でほとんど分娩になります。
硬膜外空に細いチューブを入れておけば麻酔薬を追加することが可能ですが、
効果の持続時間はもう1時間延ばすのがやっとで、
その後は麻酔薬を追加してもあまり効きません。
また3~4cmぐらいの子宮口開大では
経膣分娩が可能であると読み切ることができません。
私は、赤ちゃんの頭が通過できると判断してから、
チューブは入れずにワン・ショットで麻酔をしています。